Case – 12 カンジダ症

後藤皮膚科背景イメージ

カンジダ症は、カビの一種であるカンジダ属真菌が原因で起こる感染症です。

発症部位や臨床症状により様々な臨床型があります。

股部、陰部、おむつ部、手指などに紅斑、びらん、鱗屑を認め、。その中や周囲に小さい水ぶくれや膿疱が見られ、かゆみを伴うことが多いです。しかし、カンジダ症に似たような疾患もあるため、皮膚科を受診し適切な治療を受けてください。

このページでは、カンジダ症の症状、原因、治療法、日常生活で気をつけることなどを解説します。

症状が進行する前に、皮膚科を受診し適切な治療を受けてください。

1: カンジダ症とは

1-1: カンジダ症の症状

カンジダ菌は、皮膚、粘膜、消化管などに常在菌として存在しており、普段は免疫力によって抑制されています。しかし、何らかの原因で免疫力が低下したり、カンジダ菌が増殖しやすくなったりすると、カンジダ症を発症します。

カンジダ症は、感染部位によってさまざまな症状が現れます。

代表的な症状は以下の通りです。

①皮膚カンジダ症
カンジダ性間擦疹、カンジダ性指(趾)間びらん症、カンジダ爪囲炎などがあります。

1-2:カンジダ症の原因やメカニズム

水仕事やおむつ使用などによって生じる場合や、

糖尿病、血液疾患、免疫抑制剤の使用、HIV感染症などによる免疫異常を背景に生じる場合もあります。

1-3:カンジダ菌が増殖しやすい状態

  • 抗菌薬を服用していると、腸内細菌のバランスが乱れ、カンジダ菌が増殖しやすくなります。
  • 高温多湿な環境は、カンジダ菌の増殖を促進します。

2: カンジダ症の検査、診断法

カンジダ症を以下のように検査、診断します。

  • 問診:症状の出現時期や経過、既往歴、服薬歴などを詳しく問診します。
  • 視診:感染部位を診察し、症状を確認します。
  • 皮膚の検査: 患部から組織を採取して顕微鏡で観察します。

カンジダ症の場合、一般的には問診や皮膚の検査で診断がつきます。

3: カンジダ症の治療法

皮膚カンジダ症の治療法は、

一般的には抗真菌薬の外用を行います。広範囲に生じているときや治りが悪いときは抗真菌薬の内服治療を行うこともあります。

4: 日常生活で気をつけること、予防法

カンジダ症の予防、再発防止のためには、以下の点に注意することが大切です。

皮膚を清潔に保ち、できるだけ乾燥させること

4-1:皮膚の清潔を保つ

スキンケアが不十分だと、カンジダ菌が増殖しやすくなります。そのため、下記の点に注意してください。

  • 患部は清潔に保ち、乾燥させる
  • 下着や靴下は毎日取り替える

4-2:蒸れやすい環境を避ける

カンジダ菌はカビの一種ですので、皮膚が蒸れやすい環境にあると増殖しやすいです。そのため、下記のような点に注意してください。

  • 通気性の良い衣服を着る
  • タイトな衣服は避ける
  • 蒸し暑い環境を避ける
  • 汗をかいたらすぐにふき取る

外陰部・膣カンジダ症は、性交渉によって感染する場合もありますが、妊娠、肥満、糖尿病、抗菌薬の服用なども発症のきっかけとなります。下記の点に注意してください。

  • パートナーがカンジダ症にかかっている場合は、性行為を控える

カンジダ症は一般的な皮膚の病気ですが、放置すると症状が悪化することが多いです。そのため、発症したらすぐに当院を受診し、適切な治療を受けるようにしてください。