Case – 11 白癬(水虫)

後藤皮膚科背景イメージ

白癬(はくせん)は、白癬菌(皮膚糸状菌)が皮膚に寄生する真菌感染症で、俗に「水虫」と呼ばれている疾患です。部位によって足白癬、爪白癬、手白癬、体部白癬、頭部白癬などに分類されます。

1: 白癬(水虫)とは

1-1: 症状

足白癬でみられる症状には以下のようなものがあります。

  • 指の間が浸軟する(ふやける)
  • 皮がめくれる
  • 小さい水ぶくれができる
  • 角質が厚く、硬くなる

また爪白癬では、爪が濁ったり、爪が厚くなるような変化がみられます。

1-2:原因

白癬(水虫)は、カビの一種である白癬菌(皮膚糸状菌)が皮膚や爪などに寄生することによって生じます。

2: 検査法

白癬の診断は、見た目で白癬が疑わしいと考えられる場合も、実際に病変部に真菌が存在することを証明して診断します。KOH直接鏡検を行い、皮膚糸状菌を確認します。

3: 治療法

足白癬や体部白癬は抗真菌外用薬による外用治療が基本となりますが、病変が非常に広範囲に及ぶ場合や難治の場合は抗真菌薬の内服治療を行うことがあります。

爪白癬は抗真菌外用薬の外用では根治しにくいことが多く、内服治療のほうが効果が高いため、内服治療を選択することが多いです。(内服治療を行っても全員が完治できるわけではありません。)

4: 足白癬で気をつけること

白癬患者で最も多い足白癬において、気をつけることを説明いたします。

  • 足を強くごしごしと洗うことはせず、泡立てた石鹸でやさしく指の間まで洗ってください。
  • 塗り薬は症状がない部分も含めて足裏全体に塗りましょう。また症状がなくなってもすぐに中止せずに、さらに1~2ヶ月程度外用を続けましょう。
  • 抗真菌外用薬にかぶれることもありますので、悪化した場合はそのまま外用を継続せず、一度ご相談ください。
  • 足の指の間はふやけていたり蒸れていると治療がうまくいかないことがありますので、靴下は5本指靴下がおすすめです。
  • 銭湯やプールなどの床、足ふきマット、共有のスリッパを介して白癬菌が付着し、白癬がうつる可能性があります。白癬菌が付着しても半日以内に足を洗えば感染を防ぐことができるとされていますので、すぐに足を洗うことをおすすめします。

白癬(水虫)は感染症ですので、悪化する前に完治を目指して早めに治療を開始しましょう。白癬かなと思ったら、お気軽にご相談ください。