Case – 04 イボ

後藤皮膚科背景イメージ

イボとは、皮膚から盛り上がってできる小さな隆起のことを指して呼ぶことが多いです。

ヒトパピローマウイルス(HPV)が皮膚に感染することによりできるイボもあり、他人へ感染する可能性がある点に注意する必要があります。適切な治療を受けなければ悪化したり、再発したりする可能性もありますので、イボについて不安や疑問をお持ちの方は、このページを参考にし、必要に応じて皮膚科を受診してご相談ください。

1: イボとは

1-1: イボの症状の特徴

色は白、茶色、黒など様々で、表面は滑らかなものからざらざらしたものまであります。場合によっては痒みや痛みを感じることもあります。

イボには、主に以下のような種類があります。

1-1-1: ウイルス性のイボ

尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)

手足に好発する、最も一般的なイボです。小児に多いです。特殊な型として、ミルメシアと呼ばれるものもあります。

扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)

青壮年の顔や手背などに多発する、平らなイボです。線状に並ぶように増えることもあります。

尖圭コンジローマ外陰部や肛門周囲に多発し、カリフラワー様に大きくなることもあります。主に性行為によって感染する性感染症であるため、性パートナーへの感染予防が必要です。ベセルナクリーム(イミキモド)の外用治療を行うこともあります。

1-1-2: 非ウイルス性のイボ老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)

脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)ともいい、加齢に伴い生じる良性の皮膚腫瘍です軟性線維腫、アクロコルドン:首や脇などによくできる小さなイボで、早ければ20代で発症することもあり、加齢によって徐々に増えることが多いです。

1-2: イボになる原因

ウイルス性のイボは、ヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされます。(「水いぼ」はウイルスの種類が異なります。)HPVは、皮膚や粘膜の小さな傷から侵入し増殖することでイボを作ります。

HPVには多く型があり、型の違いで発生部位や形状に違いがあります。

2: イボの検査・診察法

多くの一般的なイボは視診で診断がつきますが、非典型例では皮膚生検が必要となることもあります。

3: イボの治療法

基本的には保険適用の治療である液体窒素による凍結療法を行います。必要に応じてヨクイニン内服療法を行うこともあります。

液体窒素による凍結療法は、マイナス196度の液体窒素を患部に吹きかけたり、綿球に含ませて圧抵します。

1週間~2週間に1回程度通院して同様の治療を繰り返します。

  • 経過:施術後、赤みや腫れ、痛みが数日続くことがあります。水疱ができることもあります

難治の場合は保険適用外の治療を検討することがあります。

イボの不安や疑問がある場合は、お気軽に当院にご相談ください。