Case – 03 ざ瘡(ニキビ)

後藤皮膚科背景イメージ

1: ざ瘡(ニキビ)とは

ニキビは、医学的には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれます。

皮脂分泌が多いことや毛穴の詰まりなどが原因で、顔、背中、胸など皮脂腺が多い部位に発生します。皮脂の分泌は主にアンドロゲン(男性ホルモン)の影響を受けるため、思春期以降にニキビができるようになります。

1-1: ざ瘡(ニキビ)の種類と症状

ざ瘡(ニキビ)は毛穴に皮脂がたまることで始まり、この状態が面皰(めんぽう)です。面皰の中でアクネ菌が増えると、炎症を起こして赤いニキビになり、膿がたまった黄ニキビに進行することがあります。

2: ざ瘡(ニキビ)の治療法

繰り返すニキビには、アダパレンや過酸化ベンゾイル、外用抗菌薬を用いた外用療法をまず検討します。(日本では、アダパレンのディフェリン®ゲル0.1%は2008年に、過酸化ベンゾイルのベピオ®ゲル2.5%は2015年に販売開始されました。)また状態によっては抗生剤の内服治療を行ったり、漢方薬を試してみていただくこともあります。

ニキビがある程度落ち着いた後は、ニキビができにくい状態を維持するための治療を継続します。


※アダパレンには毛穴の詰まりを改善させ面皰をできにくくする作用と抗炎症作用があり、過酸化ベンゾイルには殺菌作用とピーリング作用があります。いずれも副作用として乾燥や皮むけ、赤みが出ることがあります。

3: ざ瘡(ニキビ)の予防法

ニキビをできにくくする、悪化を防ぐためにも、日常生活では下記のことに気を付けましょう。

洗顔
  • 1日2回(朝、晩)、洗顔料を用いてぬるま湯で優しく洗顔しましょう。
  • 洗いすぎも禁物です。
スキンケア

ノンコメドジェニックのものがおすすめです。保湿自体にニキビに対する治療効果はありません。

食生活
  • ニキビと食事との関係はまだはっきりしていないことが多いですが、バランスの良い食事をとるようにしましょう。

ざ瘡(ニキビ)は、悪化してしまうと跡が残り、ニキビ跡の治療は難しいことも多いです。
悪化する前に早めの受診、治療をおすすめします。